5/4 ドリームコンサート イベントレポート
ドリームコンサート二日目。
いの一番に集結したお客様の中に、素晴らしい皆様を発見。左から二人目の忠地美幸さんは、市川ニ中で教鞭を執っていたヴェテラン教師で、トルヴェールクヮルテットの彦坂眞一郎さんの恩師でもある方。
他のみなさんも、市川市の音楽文化圏を支える皆様です。
この日しか聴けないスペシャルな組み合せ「ドリーム・クラリネット・カルテット」。
左から東京都交響楽団・勝山大輔、フリー奏者・北岡羽衣(うい)、新日本フィルハーモニー交響楽団副首席契約団員・中舘壮志、日本フィルハーモニー交響楽団・楠木慶の各氏。
幕開けの《花火(K.ベッファ)》に続いて《3つの前奏曲(ガーシュイン)》で、まず正統派クラリネット四重奏の醍醐味を堪能させてくれます。前半は中舘さんがエスクラを担当。
解説は、もっとも背が高い勝山さん。
なんと身長190センチ!
勝山さんにとって北岡さんは、東京音楽大学の先輩だそうです。
会場をなごませる勝山さんの楽しいおしゃべりのあとは、ヴァイオリンの名手サラサーテが編曲した《カルメン幻想曲》。
ヴァイオリンのための作品をクラリネットのためにアレンジしたのは北岡さんのお師匠様でもあるニコラ・バルディル(フランス国立放送フィルハーモニー首席)。
後半は《「となりのトトロ」メドレー》などの親しみやすいプログラムで、クラリネットのユーモラスな部分も楽しめて、大満足。
右に左に、満場のお客様に挨拶をしながら演奏する「キングス」のみなさん。
この日はクラリネットがテーマです。アメリカの南北戦争がきっかけで生まれたディキシーランドジャズでは、行進曲をジャズにしたものが多いのですが、この日演奏された《ハイソサエティ》では、トリオの部分でクラリネットの白石幸司さんが妙技を披露。
続く《古い十字架》では一転して、低い音域の魅力をたっぷりと聴かせてくれました。
ディキシーになくてはならないバンジョーを担当するのは永生元伸さん。ソロアルバムでは見事な歌声も披露してますが、残念ながら今回はクラリネット・白石さんを支える役に徹して歌声は封印。
ドラムの楠堂浩己(なんどう・こうき)さんは、迫力の大音量と正確なリズムキープでバンドをドライブ。 スティックを高く投げて受け止める芸では、お約束?の失敗のあとで見事にキャッチして大喝采を浴びてました。
《古い十字架》を熱奏する白石さんのあたたかな低音にあわせ、楠堂さんはマレットに持ち替えて心にしみるリズムを奏でます。
《家畜小屋のブルース(Barnyard Blues)》では、さまざまな管楽器が動物の鳴き真似を楽しませてくれます。白石さんはソプラノサックスで鶏の鳴き声を。トランペットの筒井政明さんは、マウスピースでカエルの真似。
展示してあるマルカートで演奏してみよう!ということになり、みんな自分の楽器をマルカートに交換!
チューバの河合勝幸さんは、値札をつけたままTU-900Sを(笑)
白石さんはグラナディラ製のCL-900で、《星の界(What a friend we have in Jesus)》冒頭のソロを見事に吹奏。その音色に誰もが聞き惚れました。
クラリネット
プロフィール
勝山大舗
13歳より吹奏楽部にてクラリネットを始める。世田谷学園高等学校を経て東京音楽大学卒業。第84回日本音楽コンクール第1位他受賞多数。これまでにクラリネットを日向秀司、浜中浩一、亀井良信、加藤明久の各氏に師事。東京佼成ウインドオーケストラを経て、現在東京都交響楽団クラリネット奏者。国立音楽大学、桐朋学園大学、各非常勤講師。
北岡羽衣
東京音楽大学器楽科クラリネット専攻を首席で卒業。欧日音楽講座にてM.アリニョン氏に師事。ビュッフェ・クランポン奨励賞を受賞。フランス国立リュエイユ・マルメゾン地方音楽院クラリネット、室内楽科を満場一致の一等賞を得て卒業。これまでに岡田孝夫、浜中浩一、E.ヌヴー、C.ヴェルニョリー、N.バルデルー、各氏に師事。現在、国内オーケストラの公演に出演他、室内楽、ソロで演奏活動をしている。
楠木慶
2013年東京藝術大学を卒業。翌年、日本フィルハーモニー交響楽団に入団。第33回日本管打楽器コンクール第2位。武安宏子、堀川千影、山本正治、三界秀実の各氏に師事。現在、日本フィルハーモニー交響楽団クラリネット奏者。
中舘壮志
東京藝術大学音楽学部卒業。第6回ヤング・クラリネッティストコンクールパルテノン多摩賞受賞。第33回日本管打楽器コンクール第1位、並びに文部科学大臣賞、東京都知事賞、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団特別賞。有馬理絵、月村淳、栄村香、山本正治、伊藤圭の各氏に師事。現在新日本フィルハーモニー交響楽団副首席奏者契約団員。
薗田憲一とデキシーキングス
ジャズの中で最もハッピーで心温まるジャズと云われているデキシーランドジャズの大御所薗田憲一が1960年11月に「薗田憲一とデキシーキングス」を結成。世界の民謡から日本の童謡・唱歌、その他ジャズになる可能性のある曲は、見事にデキシーに消化し愛好者の期待に応える活動をしています。このグループの演奏は各レコード会社のLPで結成以来50数枚吹き込まれ好評を博しています。又、テレビ、ラジオでも意義ある出演、種々のコンサートやイベント等、多方面に亘っての活躍。
このグループの独壇場で、迫力ある、しかも、適度なユーモアを持った演奏と歌、そして、楽しいコーラスは、聞く人々を魅了せずにはおきません。
2006年7月12日、薗田憲一は惜しくも他界。亡き後、デキシーキングスサウンドを絶やさぬよう、「薗田憲一とデキシーキングス」の名を存続し、演奏活動を続け、好評を博している。
プロフィール
薗田勉慶 〔Trombone〕
2006年7月、父 薗田憲一亡き後、 正式にデキシーキングス入団。 若手ながらデキシーランドジャズ を演奏する数少ないプレイヤー。 テクニック、音色は申し分なく、 将来嘱望される若手プレイヤー。
筒井政明 〔Trumpet〕
確かなテクニックと 迫力ある音色は、 陽気なデキシーランドジャズのステージには欠くことの できない貴重なプレイヤー。
白石幸司 〔Clarinet & Sax.〕
素直で柔らかな音色に人柄が
にじみ出る。
確かな歌心と共にテクニックも
聴く人の心に訴える。
異なった楽器をどちらも一流に
演奏できるプレイヤー。
永生元伸 〔Banjo〕
デキシーランドジャズには 欠くことはできないバンジョー。 現在日本NO.1と云われる 彼の力量の程が充分に伺われる。
河合勝幸 〔Tuba〕
ハッピーなデキシーランドジャズならではのツービート奏法をマスターしたチューバ奏者。将来が楽しみなプレイヤー。
楠堂浩己 〔Drums〕
力強いビートを持ったドラマー。日本のデキシー界NO.1のテクニシャン!
笑顔を絶やさない明るいステージマナーは訊く人を楽しませてくれる。