5/5 ドリームコンサート イベントレポート

ドリームコンサート2013 最終日の5/5

各ブランドの木管楽器がずらりと並ぶ、大賑わいのロビー!

今日のロビーは木管楽器が中心。クラリネットの在京オーケストラ首席クラスが結集 する、この日限りの「ドリーム・カルテット」と、ご存じ日本が世界に誇る「トル ヴェール・クヮルテット」の揃い踏みなんですから!

ドリーム・カルテット

ドリーム・カルテット登場!左から、日本センチュリー交響楽団首席クラリネット 奏者・持丸秀一郎、NHK交響楽団首席クラリネット奏者・伊藤圭、神奈川フィル ハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者・齋藤雄介、そして東京都交響楽団首席ク ラリネット奏者・勝山大輔の各氏。首席ばかりでアンサンブルが組めるなんて、やっぱりドリームコンサートは楽しい!!

司会は、伊藤圭氏。このドリームコンサートはいずれの会でも、単に演奏が続く普通の?クラシックコンサートとは異なり、演奏者が自ら楽しく解説をしてくれます。小編成の管楽器アンサンブルだと普段聞いたことのない楽曲が多くなるけれど、これは素敵な配慮です。

本日の演目は《リベルタンゴ》《フーガと神秘》というアストール・ピアソラの2曲と、アンサンブルコンテストなどでもおなじみの《四重奏曲(コルリ)》《ディヴェルティメント(ウール)》というラインアップ。アンコールでは、クラシックから一転してブルース基調の楽曲《シティシーン組曲》からの一節を、軽やかな音色で楽しく奏でてくれました。

演奏曲

《メイン》
●A,ウール ディベルティメント 他


プロフィール

伊藤圭(いとう けい)

1977年宮城県出身。2001年東京藝術大学卒業。2002年JILA音楽コンクール室内楽部門第1位。2004年第6回日本クラリネットコンクール第一位。2006年第75回日本音楽コンクール入選。
これまでにクラリネットを千石進、日比野裕幸、野田祐介、山本正治、三界秀実、村井祐児の各氏に師事。室内楽を岡崎耕治、四戸世紀の各氏に師事。
現在、NHK交響楽団首席クラリネット奏者。
尚美ミュージックカレッジ専門学校、上野学園、フェリス女学院、愛知県立藝術大学、東京藝術大学講師。


齋藤 雄介(さいとう ゆうすけ)

福島県郡山市出身。東京芸術大学器楽科を経て、同大学院音楽研究科(修士課程)を修了。
2003年、大学院修了と同時に神奈川フィルハーモニー管弦楽団に入団、2008年より首席を務め、現在に至る。
これまでに秋山かえで、三界秀実、村井祐児の各氏に師事。


持丸秀一郎(もちまる しゅいちろう)

横浜市出身。武蔵野音楽大学、同大学院修了。ハンガリー政府国費留学生として、ハンガリー国立リスト音楽院修了。
第12回日本木管コンクール入賞。第3回イタリア・カルリノ国際クラリネットコンクール優勝。これまでに、東京、横浜、大阪、兵庫、奈良等各地でリサイタルを開催する他、国内外の音楽祭へのゲスト出演、ソリストとしても日本センチュリー交響楽団と度々共演する。各種コンクールの審査員や日本各地でのマスタークラス、吹奏楽指導や音楽誌への執筆なども行っている。
現在、日本センチュリー交響楽団首席奏者、日本クラリネット協会理事。


勝山 大輔(かつやま だいすけ)

12歳よりクラリネットを始める。2008年東京音楽大学卒業。
第27回日本管打楽器コンクール入選。第22回日本木管コンクール第三位。
第81回日本音楽コンクール第二位。第8回日本クラリネットコンクール第三位。
クラリネットを日向秀司、浜中浩一、亀井良信、加藤明久の各氏に師事。
東京佼成ウインドオーケストラを経て現在東京都交響楽団クラリネット奏者。


トルヴェール・クヮルテット

こちらはトルヴェール・クヮルテット 須川展也、彦坂眞一郎、新井靖志、田中靖人。ピアノ伴奏は、小柳美奈子。

クヮルテット (四重奏)とはいいながら、彼女も交えたクィンテット(五重奏)の魅力も味わえる のが彼らのコンサートの楽しいところ!

当日の演目はまず《トルヴェールの四季》より「春」の第一楽章と「夏」の第三楽章。ヴィヴァルディが現代に生きていたら…という想定で、長生淳氏が「作曲」(もはやアレンジ、という域を超えています)した名曲から、誰が聞いてもヴィヴァルディだけど、誰が聞いてもびっくりする斬新な二曲が登場。もう最初から、ノックアウトです@アカデミーホール…という感じ。

クレリス《Cache-Cache(かくれんぼ)》(「カシュ・カシュ」と読みます)《四重 奏曲(パスカル)》より「第一楽章」と続いて、《デューク・エリントンの時代から ~Duke’s Time(エリントン&長生淳)》で締めくくるプログラム。最後の《デュー ク・エリントンの…》は、まず小柳美奈子さんの「時報」(ぴ、ぴ、ぴ、ぽーん、と いうアレ)で始まります。そしてテナーサックスを抱えた新井氏が登場し…。

次にアルトサックスの彦坂氏…実は当日の楽屋での楽しいエピソードを彦坂氏が暴露したシーンを取材班が偶然キャッチ。
こちらです(http://youtu.be/jmK86ljX_xQ

そしてバリトンサックスの田中氏とソプラノの須川氏が登場。そう、リハーサルではこの「動き」を確認していたのですね。例のフレーズがとびだしてジャズの名曲《A列車で行こう!》が始まった…かと思うと、楽曲は意外な展開を…!

最後は大喝采!メンバーも、満足げな表情です。エリントンの名曲の数々のあい に、ジャズの巨匠エリントンが活躍していた同時代のクラシックな有名作曲家たち、ラヴェルやハチャトゥリアン、ストラヴィンスキーなどの作品の有名フレーズが登場 します。こういう人たちが同時代に生きていた…って、教科書をみればわかるのですが、あたまのなかではなかなかジャズとクラシックが結びつかないから不思議。

というか、クラシックって「かなり昔」な印象があるけど、例えば「ダフニスとクロエ」 が「A列車で行こう!」なんて気勢をあげているようなアレンジ(というかこうな りゃもう「作曲」だ!)を聞けば、なるほど「同時代」だったんだ…と納得しちゃいます。

演奏曲

●長生淳:トルヴェールの≪四季≫より“春”第1楽章、“夏”第3楽章
●クレリス:Cache-Cache(かくれんぼ)
●パスカル:サクソフォン四重奏曲 第1楽章、第4楽章
●デューク・エリントン/長生淳:デューク・エリントンの時代から
                       ―Duke's Time―


プロフィール

87年に結成され2012年に25周年を迎えた世界的アンサンブル。92年東京国際音楽コンクール第2位、第5回日本吹奏楽アカデミー賞「演奏部門」受賞。2000年にはオランダでの日蘭国交修好400年記念演奏会に招かれる。04年、ホルストの「惑星」を長生淳が全く新しく作りかえた「トルヴェールの《惑星》」のCDをイマジンベストコレクションよりリリース。「個性と融合」をテーマに、シビアな曲からコミカルな曲まで幅広いレパートリーを持ち、その緊密なアンサンブルが各地で大絶賛されている。

須川展也(すがわ のぶや)Nobuya Sugawa■ソプラノ・サクソフォン

日本が世界に誇るサクソフォン奏者。東京藝術大学卒業。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞。出光音楽賞、村松賞を受賞。98年JT音楽家シリーズCM出演、02年NHK連続テレビ小説『さくら』のテーマ音楽を演奏。年間コンサート数は約100公演。海外でも20カ国以上でリサイタルやマスタークラスを行っている。これまでに約30枚のCDをリリース。最新CDは「サキソ・マジック」。国内外の有名オーケストラと多数共演。名だたる作曲家への委嘱も積極的に行なっており、須川によって委嘱・初演された多くの作品がクラシカル・サクソフォンの主要レパートリーとして国際的に広まっている。1989年から2010年まで、東京佼成ウインドオーケストラ・コンサートマスターを務めた。トルヴェール・クヮルテットメンバ-、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者、東京藝術大学客員教授。

彦坂眞一郎(ひこさか しんいちろう)Shin-ichiro Hikosaka■アルト・サクソフォン

東京藝術大学大学院修了。安宅賞受賞。CBSソニー「ザ・ニューアーティスト・オーディション '88」においてFM東京賞、クリスティン・リード賞受賞。マイスター・ミュージックよりソロ・アルバム「バラード“即興への軌跡…!”」、「ダンス」、「エチュード」をリリースしており、99年6月に行われた東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」では好評を博す。現在、上野学園大学准教授、桐朋学園芸術短期大学講師の他、「裏サックス」、「火星接近」のメンバーとしても活動している。最近のCDは、2008年にリリースされた新井靖志とのデュオによる「6つのカプリス~2本のサクソフォンのための作品集~」、2009年3月にリリースされたソロCD「明日の方へ」(共にマイスターミュージック)。


新井靖志(あらい やすし)Yasushi Arai■テナー・サクソフォン

コンセルヴァトワール尚美ディプロマ・コース卒業。赤松賞受賞。尚美コンクール管打楽器部門第1位、第4回日本管打楽器コンクール・サクソフォン部門第2位入賞。2000年にはソロデビューCD「ファンタジア」(マイスターミュージック)をリリースしている。また、彦坂眞一郎とのデュオによる「6つのカプリス~2本のサクソフォンのための作品集~」(マイスターミュージック)も人気を博している。最新CDはソロ・アルバム「夕べの歌」(フロレスタン)。意欲的な内容で、サクソフォンの新境地を開拓、高い評価を得ている。


田中靖人(たなか やすと)Yasuto Tanaka■バリトン・サクソフォン

和歌山県出身。 国立音楽大学在学中に第4回日本管打楽器コンクール・サクソフォーン部門第1位。 矢田部賞を受賞し、卒業後よりソリストとして各地でリサイタルなど幅広いコンサート活動を行い、テレビやラジオにも数多く出演。 また、サクソフォーン四重奏団《トルヴェール・クヮルテット》のバリトン・サクソフォーン奏者として国内外で活躍し、これまでに10枚を超えるCDをリリース。01年文化庁芸術祭レコード部門"大賞"を受賞。 ソロ・アルバムに、91年「管楽器ソロ曲集・サクソフォーン」95年「ラプソディ」(東芝EMI)97年「サクソフォビア」(東芝EMI)03年「ガーシュインカクテル」(佼成出版社)をリリース。 03年、和歌山県より「きのくに芸術新人賞」を受賞。 サクソフォーンを故・大室勇一氏に師事。 現在、愛知県立芸術大学講師、昭和音楽大学および同短期大学の講師として後進の指導にあたっている。東京佼成ウインドオーケストラ コンサートマスター。


小柳美奈子(こやなぎ みなこ)Minako Koyanagi■ピアノ

東京藝術大学卒業。伴奏のイメージを変えてしまうアンサンブル・ピアニスト。様々なプレイヤーの呼吸の機微を読み取り、それに寄り添うしなやかな感性を数多くの公演、録音で発揮している。吉松隆「サイバーバード協奏曲」の準ソリストとしてフィルハーモニア管弦楽団とも共演。トルヴェール・クヮルテット」とのレコーディングは10数枚を超える。トリオ「YaS-375」のメンバー。


熱演の後は恒例の選定楽器お渡し会。

お待ちかね、選定楽器お渡し会。選定っていうのは意外に大変で、そもそも数がそろっていないと選定のしようもありません。

数本のなかから選ぶしかなくて困っちゃ う…というケースが多いのに、在庫が豊富なシモクラなら数十本のなかから選べるので、選ぶ方も気合が入る、とのこと。

この日一番最初に手渡しされたのは、市原(千葉県)からいらした中学生楽器族!おめでとう、末永く楽器といい友達になってね!!

50名以上の方がお受け取りになりました!


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